キャッチャー・イン・ザ・ライス

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まったくこの季節になるといつもこうなんだ。ルーシーは余計なことをして、サムやデイブを嫌な気分にさせてばかりいる。そんな姿を見せられているとこっちまでうんざりしてしまう。
いっそどこかよそへ行ってしまった方が良いのかと考えることはあるが、結局どこへ行っても同じだってこともわかってるんだ。
デイブはまだ子供だからいい。サムは立派な大人だ。えらそうにヒゲなんか生やして40歳はこえているだろう。少し変わっている。頭も足りないと思うね。まわりの家は広い畑で小麦を作っているのに、サムだけは田んぼで米を作っている。そして小さな畑で豆を育てているんだ。まったく自業自得だっていうことに気がついてないのが、少し足りない証拠だよ。
今日の夕食はライスだ。まったくこの暑さの中、ライスなんて食えたものじゃない。ルーシーがまた余計なことをしてライスに豆を入れて炊いてしまった。また僕はつまみ出されてお皿に残されるんだ。
青春
公開:21/07/02 21:28
更新:21/07/02 21:30

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