部長の檄

月曜朝会で部長が、檄を飛ばす。各自新規顧客を百名獲得せよとか、売上倍増せよとか,勝手な事ばかりを言う。
言うのは簡単だが、自分でやってみろと心で呟くと、君何を考えているんだ、やる前から無理と決め付け、おまえやってみろとは、なんちゅうことかと叱り飛ばされた。心で思った事が部長に分かるのか不思議であった。

翌週の朝会も他の営業マンが、このクソ部長威張ってるだけで俺らの何倍もの給料を取りゃがって！と心で思ったら、則座に指摘され逆鱗に触れてしまった。

この話が皆にも伝わり、対応策を至急検討しようと、近くにある神社境内に集まり議論し合ったが、良い名案も出ず困っていた。
すると油揚げを奉納するなら、願いを叶えてやろうと社殿奥より聞こえた。
皆は狐につままれた様な話だとは思ったが、この際それしかアイデァも無く各自油揚げを持ち参拝した。

以後朝会は部長が、コンコンコンと三回なくだけで散会となった。