無人駅にて

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駅のホームで愛しい人の帰りを待つ。僕が追い出してしまった彼女。すぐにでも会いたい彼女。
僕は彼女にメッセージを送る。でも彼女は答えてくれない。だから迎えを送った。
ああ…もうすぐだ。もうすぐ彼女に会える…
彼女は地球での暮らしが気に入ったようだが、それはここの暮らしを忘れたからに違いない。
月の都でまた一緒に暮らせばここから…僕から離れられなくなること間違いなしだ。
でも万が一の可能性もある。僕は迎えに天の羽衣を持たせた。これを彼女に被せれば彼女は地上の事を全て忘れる。これで万事解決だ。
迎えが戻ってきた。僕は彼女を笑顔で迎える。その顔が引きつった。彼女は、息をしていなかった。
どういう事だと迎えに詰め寄る。
「かぐや姫様は不死の薬を地上の人に渡してしまいました。あの薬なくして宇宙空間で生存する事はなりません」
無機質に答えるアンドロイド。僕は彼女の亡骸を抱くと月の駅で一人悲しみに暮れた。
ファンタジー
公開:21/06/28 19:05
かぐや姫・その後・仮定の話

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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