幸福のブレスレット
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「なんだ、これ?」
妻宛に届いた荷物を開封すると、まがまがしい色のブレスレットが出てきた。
「あ、これ、幸福のブレスレットらしいの。ネットで見て買っちゃった」
結婚して五年。子供はいない。妻は最近、こういうスピリチュアルなものを信じる傾向にある。
「まったく……そんなの嘘っぱちに決まってるだろ。また無駄遣いして」
「そうかな……結構レビューでも評判よかったんだけど」
「そんなもので幸せになれるんなら苦労はないよ。君はいつもそうやって根拠のないものにすがる」
「……ごめんなさい。でも、せっかくだからつけてみる」
「勝手にしろ。おい、それより夕飯はまだか?亭主を待たせて何をやって……」
次の瞬間、妻の両手が私の首へとのびた。
「おい、やめろ!なんの冗談だ!」
妻は答えない。それにしてもなんて力だ……首が締まる……い、息ができな……。
幸福のブレスレットが、妻の手首で鈍く光った。
妻宛に届いた荷物を開封すると、まがまがしい色のブレスレットが出てきた。
「あ、これ、幸福のブレスレットらしいの。ネットで見て買っちゃった」
結婚して五年。子供はいない。妻は最近、こういうスピリチュアルなものを信じる傾向にある。
「まったく……そんなの嘘っぱちに決まってるだろ。また無駄遣いして」
「そうかな……結構レビューでも評判よかったんだけど」
「そんなもので幸せになれるんなら苦労はないよ。君はいつもそうやって根拠のないものにすがる」
「……ごめんなさい。でも、せっかくだからつけてみる」
「勝手にしろ。おい、それより夕飯はまだか?亭主を待たせて何をやって……」
次の瞬間、妻の両手が私の首へとのびた。
「おい、やめろ!なんの冗談だ!」
妻は答えない。それにしてもなんて力だ……首が締まる……い、息ができな……。
幸福のブレスレットが、妻の手首で鈍く光った。
ホラー
公開:21/06/30 11:35
54字リメイク
30代後半になりTwitterを開設し、ふとしたきっかけで54字の物語を書き始め、このたびこちらにもお邪魔させて頂きました。
長い話は不得手です。400字で他愛もない小噺を時々書いていければなぁと思っております。よろしくお願いします。
Twitterのほうでは54字の物語を毎日アップしております。もろもろのくだらない呟きとともに…。
https://twitter.com/makihide00
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