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「これは避難訓練です、などと言ってしまうと、緊張感がなく、訓練が訓練にならないのではないかと思ってのことだったのだが……」
校長はつぶやいた。
「そうか、こういうことになるから、避難訓練は訓練だと、きちんと言ったほうがいいのだな……」
教師たちが我先にと逃げだし、残された児童たちがパニックのあまり怪我をする。そして、誰が外部に連絡を取ったのか、学校に消防と救急車、それに警察が乗りつけ、地域住民からの事実確認の電話は鳴り止まない。
「私はただ、緊張感を持って校庭に集まって欲しかっただけなのに……」
頭を抱えた校長の発言は、その夜のニュースで、「——などと供述をしており」という文言付きで、全国に放送されたのだった。
校長はつぶやいた。
「そうか、こういうことになるから、避難訓練は訓練だと、きちんと言ったほうがいいのだな……」
教師たちが我先にと逃げだし、残された児童たちがパニックのあまり怪我をする。そして、誰が外部に連絡を取ったのか、学校に消防と救急車、それに警察が乗りつけ、地域住民からの事実確認の電話は鳴り止まない。
「私はただ、緊張感を持って校庭に集まって欲しかっただけなのに……」
頭を抱えた校長の発言は、その夜のニュースで、「——などと供述をしており」という文言付きで、全国に放送されたのだった。
その他
公開:21/06/25 17:00
黒澤伊織といいます。2人組で小説を書いています。ショートショートは好きで、よく書いていますので投稿していこうと思います。ちょっと皮肉の効いた話とか、ダークめの話、また逆にお笑い系の話とかを作ります。よろしくお願いします!
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