Ⅲ.六章 ココビト繫ガリ 1/3

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 ハックが隔離室から解放された日。
 バジル、ペッパー、スパイスが集まる。
「友人の記録は無かったのね?」
 と尋ねるスパイス。
「間違いないですね」
「誰一人あいつの面会に来てないんだもん」
 声を潜めながら答える二人。
「姉さんの方は?」
「彼の経歴を調べたけど、改めて、資格者として充分な素質と行動力の持ち主というのが分かったわ。結果として、それがここに入る要因にもなった訳だけど」
「じゃあ、今の状態になった原因も?」
「そこは推測の域を出ないけど、あなたたちの話を聞いて確信したわ」
「じゃあ、やはり…」
「友達だったのにな…」
「だからこそ、傷も深いんでしょうね」
「でも、どうすればそんな彼の心と記憶を取り戻せるでしょうか?」
「事情は分かっても、決め手に欠けてない?」
「その分、少し荒っぽくやるしかないでしょうね。目を背けたい彼の気持ちも分かるけど…。彼はもう部屋に?」
「ええ」
SF
公開:21/06/26 21:04
連載 SF 戦争 弾圧

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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