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俺は、旧友の男を社長室へ呼び出した。

「悪いけど、もう無理だ」

予想通り、彼は目を見開く。

「待ってくれ!クレームは、なんとかするから」

そう、口で言うなら誰でも出来る。

まあ、こいつは元々、サトイモの栽培しか経験してないんだから、仕方がない。

そんなおまえを雇った唯一の理由は、全言語を習得していたからだ。

漫画とアニメばかりで無能だったおまえが、いつ勉強したのかは知らんが、俺は、そこだけを評価してたんだ。

だが、今はその武器すら、失ったんだろ。

「俺も、首にしたくないよ。だけど、顧客が」

「なら、せめて退職金だけ……。なあ頼むよ、ガキからの縁だろ?」

「ごめん、規定だから」

すると、彼は泣き始めた。

「親孝行に、翻訳こんにゃくで金稼ごうなんて馬鹿だった!もう、細胞の声も幽霊の声も、うるさいんだよ!」

俺は、怖かった。

彼に、心の声が届いてないか、不安だった。
その他
公開:21/06/21 22:02

藤崎正(セカンドオニオン)

2021年2月に、物語を考えるのが好きで始めました。
もしよければ、コメント残して頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。

追記:2021.11.14 名前を『藤崎正』(フジサキショウ)に改名しました。一応分かりずらいと思うので、旧名(セカンドオニオン)は、付け足しで残しておこうと思います。


物語.com https://monogatary.com/user_page/story/f73e9d0f-3f97-11ec-81c5-0242ac120002

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