経口学習液

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口から学習出来る経口学習液が開発され学習環境は一変した。
長時間を要して習得する必要がなくなり、学習塾や予備校はより少量で美味しく摂取出来る学習液の開発で争った。
結果立ち飲み屋形式の狭い立地でも運用可能となり、
廃れた商店街に多く点在する閉店した居酒屋が学習塾へ鞍替えし、学習塾通りへと見事な復活を果たした。
私立大学も教室などの施設は廃止し、食堂形式の建物に経口学習をメインとした大学が誕生した。
教科毎に味が変わり、フルで授業を詰め込んでも少量でお腹への負担が少ない事が人気の条件となった。
そして「学習と食事との両立」という新たな社会問題を生む事になる。
学習量が増えると食事が出来なくなり発育が未成熟な義務教育期間は座学を義務化する事になった。
ただ教育熱心な親は子供からおやつを取り上げ、食事も最低限にしひどい場合は栄養を点滴で注射するなどし、
子供の勉強嫌いは根本的には直ってはいない。
SF
公開:21/06/23 11:35

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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