カップビルディング
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僕はある自治体で、土木担当の職員として働いている。
担当する街で、駅前の再開発計画が持ち上がった。
昨今の建設業界は人手不足だ。住民の期待も大きく、急がなくてはならない。
そんな時、業者が持ってきたパンフレットが目にとまった。
「熱湯3分で、すぐ高層ビル!」
おいおい、少しお手軽すぎないか。怪しすぎる。
ただ、このままでは何も進まない。一度試してみようか。
数日後、再開発の現場には巨大なカップが並んでいた。
用意されたやかんで、お湯を注ぐ。
「ピッピッ」
タイマーが3分を知らせる。
目の前には、見事な高層ビルが完成していた。
これなら、計画もうまくいくに違いない。
その時だった。
現場監督が、困った顔でやってきた。
「天井から、お湯が漏れてくるんです」
そういえば、大事なことを忘れていた。
カップのフタ止めシールを貼り忘れていたのだ。
担当する街で、駅前の再開発計画が持ち上がった。
昨今の建設業界は人手不足だ。住民の期待も大きく、急がなくてはならない。
そんな時、業者が持ってきたパンフレットが目にとまった。
「熱湯3分で、すぐ高層ビル!」
おいおい、少しお手軽すぎないか。怪しすぎる。
ただ、このままでは何も進まない。一度試してみようか。
数日後、再開発の現場には巨大なカップが並んでいた。
用意されたやかんで、お湯を注ぐ。
「ピッピッ」
タイマーが3分を知らせる。
目の前には、見事な高層ビルが完成していた。
これなら、計画もうまくいくに違いない。
その時だった。
現場監督が、困った顔でやってきた。
「天井から、お湯が漏れてくるんです」
そういえば、大事なことを忘れていた。
カップのフタ止めシールを貼り忘れていたのだ。
その他
公開:21/06/19 18:14
更新:21/06/19 18:36
更新:21/06/19 18:36
ショートショート講座in大阪
3分間待てばできる高層ビル
短い物書き。
皆さんの「面白かったよ!」が何よりも励みになります。誰かの心に届く作品を書いていきたいです。
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