0
3
誰もいない公園。満天の星空に誘われて、守は久しぶりに天体望遠鏡を覗き込んだ。
火星を探す途中、見たことの無い星が映ったので、気まぐれにピントを合わせてみる。
すると、吸い込まれるようにレンズが星に迫った。雲を突き抜け、海や大陸が見えてくる。やがて森の中、宇宙人の姿を捉えた。
三つの目。真っ赤に染まった大きな口。三本の長い指が、忙しなく何かを口に運んでいる。よく見ると、足下に転がった一ツ目宇宙人の死体から、内蔵を取り出して食べていた。
「うわーっ!!」
守は思わず叫んで目を瞑った。その一瞬、三つの目が守を見たような気がした。
しばらくして恐る恐る目を開けると、レンズの中、宇宙人がニタニタと笑っている。
守は震えた。レンズの中の宇宙人は見覚えのある公園に立っている。そしてその前には、震えながら天体望遠鏡を覗き込む男。
守は目を閉じた。その肩に、三本の長い指がそっと置かれた。
火星を探す途中、見たことの無い星が映ったので、気まぐれにピントを合わせてみる。
すると、吸い込まれるようにレンズが星に迫った。雲を突き抜け、海や大陸が見えてくる。やがて森の中、宇宙人の姿を捉えた。
三つの目。真っ赤に染まった大きな口。三本の長い指が、忙しなく何かを口に運んでいる。よく見ると、足下に転がった一ツ目宇宙人の死体から、内蔵を取り出して食べていた。
「うわーっ!!」
守は思わず叫んで目を瞑った。その一瞬、三つの目が守を見たような気がした。
しばらくして恐る恐る目を開けると、レンズの中、宇宙人がニタニタと笑っている。
守は震えた。レンズの中の宇宙人は見覚えのある公園に立っている。そしてその前には、震えながら天体望遠鏡を覗き込む男。
守は目を閉じた。その肩に、三本の長い指がそっと置かれた。
SF
公開:21/06/18 12:55
更新:21/06/18 13:20
更新:21/06/18 13:20
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます