才能レンタル

今日の試合もレンタルショップで借りてきた一流選手の才能で楽に勝利できた。
当日レンタル５万円。一泊二日で１０万円する高額商品ではあるが、これで試合に勝てるのなら安いものだ。
見てみろ。スカウトマン達が俺に向けて目を光らせているじゃないか。プロになりさえすりゃ、こっちのもんなんだよ。
会場を出ると早速スカウトマン達がこっちにやってきた。これで俺もプロの仲間入りだ！
スカウトマン達は俺を通り過ぎ、俺の後ろにいた奴に話しかける。
ちょっと待て！何で俺じゃないんだ！
「だって君のそれ、自分のものじゃなくて借り物でしょ？見たら分かるよ。試合の度に使うプロの才能が変わっているんだから」
そうかい…なら言わせてもらうがそいつだって才能借りていたからな！
「そうだね。でも彼は借りた才能を自分のものにしている。努力の賜物だ。才能のコピーは違法じゃないからね。数年後、彼の才能もレンタルショップに並ぶと思うよ」