告白

日付けが変わったら告白をすると決めた。
そう決めた時から、身体が火照って仕方がない。
告白したらと考えると、脳みそがどうかなってしまうような感覚になり、心臓の音もうるさいぐらいに聞こえてくる。
10年。
秘めた思いは10年になった。
長かったなあと振り返ると涙まで出てくる。
時計を見る。
あと数分で日付けが変わる。
携帯に手を伸ばし、ダイヤル画面を表示する。
別に今掛けても問題はない気はするが、そこは決心というか、気持ちも必要なところ。
画面の隅にある時計が進む。
ごくりと生唾を飲む。
そして時はきた。
表示されている番号を押し、携帯を耳にあてがる。

重ね積もった思いの告白。
気持ちのまま、懺悔と後悔。そして贖罪。

電話を終え、耳を澄ますと、遠くからサイレンが聞こえてくる。
ほっと息をつく。
喉がひどく乾いていた。