また出た!
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「おかーさーん、また出たよー!!」
「またぁ?この時期はよく出るのよねぇ」
カサカサと走る音。はぁと溜息をついて、ティッシュを一枚取って声のする方へ向かう。
「どこ?」
「あそこ!」
子供が部屋の隅を指す。追い詰められたソレが、震えているように見えた。けれど、慈悲などない。
「あー気持ち悪い!!」
ティッシュ越しに掴む。ぷちっと音がして、ソレが潰れる音がした。真っ赤な血がティッシュから滴り落ちている。
カサカサと音をたてながら、子供が母親に近付いた。
「おかーさんありがとー」
「もー、この時期はニンゲンがよく出るんだから、自分でも退治できるようにしときなさい」
「だってきもちわるいもん」
「私だって気持ち悪いわよ」
まだ血の滴るティッシュをゴミ箱に捨てて、虫の親子はぎゃいぎゃいといつまでも言い合いを続けていた。
「またぁ?この時期はよく出るのよねぇ」
カサカサと走る音。はぁと溜息をついて、ティッシュを一枚取って声のする方へ向かう。
「どこ?」
「あそこ!」
子供が部屋の隅を指す。追い詰められたソレが、震えているように見えた。けれど、慈悲などない。
「あー気持ち悪い!!」
ティッシュ越しに掴む。ぷちっと音がして、ソレが潰れる音がした。真っ赤な血がティッシュから滴り落ちている。
カサカサと音をたてながら、子供が母親に近付いた。
「おかーさんありがとー」
「もー、この時期はニンゲンがよく出るんだから、自分でも退治できるようにしときなさい」
「だってきもちわるいもん」
「私だって気持ち悪いわよ」
まだ血の滴るティッシュをゴミ箱に捨てて、虫の親子はぎゃいぎゃいといつまでも言い合いを続けていた。
その他
公開:21/06/16 09:34
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