影どろぼう
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学校の帰り道、目の前にクラスに人気者の男の子がいた。彼は運動も勉強もできる僕とは正反対の人。彼の後ろには細く、長く、大きい影が伸びていた。
僕はなんともなしに彼の影を踏んだ。
すると影だけが僕に踏まれたまま留まった。その影は僕の後ろに伸びる、もたっとした影にくっついた。
それからたくさんの影を盗んだ。隣に席の女の子、クラスの学級委員長、校長先生の影。
影を盗むと、自分の影が大きく、濃くなっていき、自分に大きな光を浴びているような快感を感じられた。
一年ほど続けて、下校中に影を盗んだとき、足がとても重くなるのを感じた。そして、だんだんと自分の目線が低くなっていく。振り返ると地面に写った自分の影が上に伸びていてき、人の形になっていった。それは校長先生のように威厳があって、学級委員長のように聡明で、隣の女の子のように可愛らしく、クラスの人気者のように輝いてた。僕は地面と同化して影になっていた。
僕はなんともなしに彼の影を踏んだ。
すると影だけが僕に踏まれたまま留まった。その影は僕の後ろに伸びる、もたっとした影にくっついた。
それからたくさんの影を盗んだ。隣に席の女の子、クラスの学級委員長、校長先生の影。
影を盗むと、自分の影が大きく、濃くなっていき、自分に大きな光を浴びているような快感を感じられた。
一年ほど続けて、下校中に影を盗んだとき、足がとても重くなるのを感じた。そして、だんだんと自分の目線が低くなっていく。振り返ると地面に写った自分の影が上に伸びていてき、人の形になっていった。それは校長先生のように威厳があって、学級委員長のように聡明で、隣の女の子のように可愛らしく、クラスの人気者のように輝いてた。僕は地面と同化して影になっていた。
ファンタジー
公開:21/06/15 22:41
ご覧いただきありがとうございます。
俳優業の傍ら、趣味でショートショートを製作しています。
田丸先生の書籍を読んでから、楽しく作っております。
ご意見、ご感想いただけると嬉しいです。
名作文学の朗読Youtubeを行っています。
『http://www.youtube.com/@akky_roudoku』
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