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愛猫に先月の給与明細を見せた所、それ以来仕事の邪魔をしてこなくなった。
それどころか『何か手伝った方がいい?』と言わんばかりにこちらを見上げてくる。今はまだ、猫の手を借りるほど切羽詰まってはいない。
「安心しろ、お前の餌代くらいはちゃんと稼いでやるから」
そう伝えると愛猫は顔を顰めた。
夜12時になると『早く寝ろ』と言わんばかりに布団へと案内するようになった。
朝晩、どこから持ってきたのか分からないが新鮮な野菜を持ってくるようになった。
時々、『散歩に出かけろ』と言わんばかりに家から追い出されるようになった。
気が付けば、猫にしっかりと健康管理されるようになっていた。
「心配ばっかかけてスマン…」
愛猫に謝ると頭をポンポンと肉球で優しく叩かれた。
公開:21/06/17 21:01

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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