死臭とモノマネ
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自分の体から奇妙な匂いがする。まるで肉が腐ったような嫌な匂いだ。しかも日がたつにつれて、悪臭は強くなっている。
不思議なことに小学校の友達はこの匂いに気が付かない。そのことだけが、救いだ。
「おーい、いつものモノマネやってくれよ」
「いいよ」
と僕は軽く答えて、担任の先生のモノマネをする。みんなが笑う。そして、ぼくの腐臭が強くなる。
「今度は芸人のモノマネをやってくれよ」
「いいよ」
僕はTVで人気のタレントのモノマネをして、またクラスの爆笑をかっさらう。さらに腐臭が強くなる。
モノマネのレパートリーが増えるたび、モノマネが上達するたびに、臭くなる。
ぼくは、ふっと思う。
この腐臭は自分自身が死んでいる匂いではないのか。自分が消滅しつつあるから、モノマネが上手くなっているのではないか。
ぼくは腐臭にまみれながら、自分が本当に存在しているのか、疑問を持つようになった。
不思議なことに小学校の友達はこの匂いに気が付かない。そのことだけが、救いだ。
「おーい、いつものモノマネやってくれよ」
「いいよ」
と僕は軽く答えて、担任の先生のモノマネをする。みんなが笑う。そして、ぼくの腐臭が強くなる。
「今度は芸人のモノマネをやってくれよ」
「いいよ」
僕はTVで人気のタレントのモノマネをして、またクラスの爆笑をかっさらう。さらに腐臭が強くなる。
モノマネのレパートリーが増えるたび、モノマネが上達するたびに、臭くなる。
ぼくは、ふっと思う。
この腐臭は自分自身が死んでいる匂いではないのか。自分が消滅しつつあるから、モノマネが上手くなっているのではないか。
ぼくは腐臭にまみれながら、自分が本当に存在しているのか、疑問を持つようになった。
ホラー
公開:21/06/17 09:48
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