ヒーロー見習い

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「キャー助けて!」
怪人に捕まった女性が吊るされていた。
「助けましょう!」
木陰から飛び出そうとする新人を先輩は止めた。
「まだ早いぞ、新人」
「ど、どうしてですか?」
「いいか、カッコいいヒーローってのはな、ギリギリのところで登場するものなんだ」
「ぶっ殺してやる!」
怪人は鉈を振り上げた。
「キャー!」
「まだですか!」
「まだだ!」
ロープが切断されて女性は落下した。
「今だ!」
先輩は飛び出しギリギリのところで女性を抱きとめた。
「さすが先輩、かっこいい!」
だが怪人は笑った。
「かかったな!その女は貴様をおびき出すための罠だ!」
変装マスクを脱ぎ捨てた女の中身もなんと怪人だった!
不意をつかれた先輩はロープでぐるぐる巻きにされてしまった。
「ぐ!助けてくれ!」
(わかってますよ先輩…)
「早く!」
(まだですよね)
「早く早く…!」
(まだ…ですよね!)
「早くしてって!!!」
その他
公開:21/06/16 23:41

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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