Ⅱ-16.境域護りし者

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 鳥居を含む境界門には、待人(まちびと)を迎え入れるだけでなく、荒人(あらびと)へのけん制という役割もある。さらに守人(もりびと)と呼ばれる戦士も配されており、けん制に動じないモノを直接的な行為で撃退している。
 元来、彼ら社(やしろ)に携わる者たちにとって、ハロウィンは完全に畑違いな風習だ。命の悪あがきを謳う行動原理も、生と死の不条理でありながら公平な還流こそ理想とする社の者にとっては理解に苦しむものだった。
 しかし、"死"の侵攻が神域を脅かす事に繋がれば話は別だった。
 奇しくもそれが、ハロウィンの日に起こった。
「この日に同じ事をすることになるとはね。何かの縁なのかな?それとも誰かのお膳立て?」
「もしそうなら、我らはそれに付き合う他ないでござるな」
「荒人を退ける。ただそれだけだ」
 境界門の向こうに、巨大な"死"が迫っていた。
 守人たちは得物を構え、静かにそれを迎え撃った。
ファンタジー
公開:21/06/11 17:06
連作 ファンタジー ハロウィン 神社 鳥居

Arujino( 東京都練馬区 )

まずは、こんにちは。

練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。

小説・脚本なども執筆してます。

【番号なし】 用語・設定解説

【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。

【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』

【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。

【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』

【001~】 短篇集『short TaleS』
 

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