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弐っちゃんと看守も、別の場所で話をしている。
「私、ここが嫌い」
「そうなんだ」
「ここだけじゃない。戦争しか考えてないこの国も嫌い。でも、結局何もできてない自分が一番嫌い」
「何もじゃないよ」
「え?」
「さんきゅうさんの本。君のおかげで持ってられてるって」
「検閲の時に許可を出したってだけよ」
「でも、さんきゅうさん喜んでるよ。あたしも」
「何で?」
「時々読んでもらってるの。世界を旅する冒険者のお話。とってもおもしろいよ。だからありがとう」
「…どういたしまして」
「あら?そこに誰かいるの?」
せんせいが二人の前に現れる。
「あら?二人しておサボり」
「も、申し訳ありません!」
「ちょっと、所長じゃないんだから。今戻れば大丈夫よ」
「ありがとうございます」
「またね」
先に看守がその場を離れる。
「せんせいもおサボり?」
「ちょっと違うかな。ほら私たちも戻りましょ」
「うん」
「私、ここが嫌い」
「そうなんだ」
「ここだけじゃない。戦争しか考えてないこの国も嫌い。でも、結局何もできてない自分が一番嫌い」
「何もじゃないよ」
「え?」
「さんきゅうさんの本。君のおかげで持ってられてるって」
「検閲の時に許可を出したってだけよ」
「でも、さんきゅうさん喜んでるよ。あたしも」
「何で?」
「時々読んでもらってるの。世界を旅する冒険者のお話。とってもおもしろいよ。だからありがとう」
「…どういたしまして」
「あら?そこに誰かいるの?」
せんせいが二人の前に現れる。
「あら?二人しておサボり」
「も、申し訳ありません!」
「ちょっと、所長じゃないんだから。今戻れば大丈夫よ」
「ありがとうございます」
「またね」
先に看守がその場を離れる。
「せんせいもおサボり?」
「ちょっと違うかな。ほら私たちも戻りましょ」
「うん」
SF
公開:21/06/11 07:22
連載
SF
戦争
差別
まずは、こんにちは。
練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。
小説・脚本なども執筆してます。
【番号なし】 用語・設定解説
【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。
【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』
【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。
【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』
【001~】 短篇集『short TaleS』
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