0
1
場面は切り替わり、収容所の某所。
さんきゅうとスパイスが話をしている。
「親友がいたんですよ」
「親友?」
「そいつは生まれつき、体をうまく動かすことができなくて。出会った頃は何とか歩けてたんですけど、それもできなくなっていきました」
「何かの障害?」
「よくは知らないんです。僕にとっては身体を動かすのが少し苦手な奴ってだけだったんで」
「その親友は?」
「…一緒に成人式出たすぐ後に」
「そうだったの…」
「でも、医者からはそこまで生きられないって言われてましたから。すごい奴でした。だから、あいつを否定するようなことを、僕はしたくない」
「それが、今のあなたがいる理由なのね」
「すいません。こんな話でよろしかったんですか?」
「充分よ。おかげで納得できたわ。でも親友のためとはいえ、言動には気をつけてね。あの所長は。わたしから見ても危険だわ」
「ありがとうございます。そろそろ戻りますね」
さんきゅうとスパイスが話をしている。
「親友がいたんですよ」
「親友?」
「そいつは生まれつき、体をうまく動かすことができなくて。出会った頃は何とか歩けてたんですけど、それもできなくなっていきました」
「何かの障害?」
「よくは知らないんです。僕にとっては身体を動かすのが少し苦手な奴ってだけだったんで」
「その親友は?」
「…一緒に成人式出たすぐ後に」
「そうだったの…」
「でも、医者からはそこまで生きられないって言われてましたから。すごい奴でした。だから、あいつを否定するようなことを、僕はしたくない」
「それが、今のあなたがいる理由なのね」
「すいません。こんな話でよろしかったんですか?」
「充分よ。おかげで納得できたわ。でも親友のためとはいえ、言動には気をつけてね。あの所長は。わたしから見ても危険だわ」
「ありがとうございます。そろそろ戻りますね」
SF
公開:21/06/11 07:04
連載
SF
戦争
差別
弾圧
まずは、こんにちは。
練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。
小説・脚本なども執筆してます。
【番号なし】 用語・設定解説
【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。
【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』
【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。
【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』
【001~】 短篇集『short TaleS』
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます