お土産の紅茶

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お土産の紅茶を思い出し淹れた。
パッケージは見知らぬ言語で読めなかったが
柑橘系の爽やかな香りの後に少し強めの渋みのある私の好きなセイロンティーだ。
前に好きだと言った事を覚えていてくれて嬉しかった。
せっかくなので少しおやつには早いがケーキと一緒に楽しもうと準備する。
そこへ夫がやってきた。
「ねぇ。どれがいい?」ケーキ箱を開き少し傾ける。
「一番カロリーが低そうなのはどれかなー」夫が呟く。
「糖と脂の塊に低カロリーを求めるのはナンセンス。食べないのが一番低カロリーよ」
勝手に言葉が口に出た。不穏な空気が流れる。
「やめとく」夫はリビングを出ていった。ちょっと待っ-
携帯が鳴る。紅茶をくれた友人だった。
「もしもし」
「もしもし、今大丈夫?」
「大丈夫だから出たのよ」まただ。
「あ、もしかして飲んだ?変わった物好きだよね」
「っちょっと何これ!?」

「え、正論ティー。好きなんでしょ?」
SF
公開:21/06/11 06:00

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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