「パイパニエンス」の誕生

時は西暦３０００年、人類は２つの民族に分かれている。
毛のある人類と毛のない人類だ

きっかけは２０２０年のメンズ脱毛ブーム
ネットでは膨大な数のメンズ脱毛広告が流れた
これに踊らされた男達は次々と脱毛に着手
２０２５年には男女合計で９０%の人類が脱毛するほどの一大事件となった

そこから人類は進化を遂げた。脱毛夫婦の間に元来毛のない赤子が産まれたのだ。「パイパニエンス」の誕生だ

２１００年には人口爆発の国を中心に世界人口の４０%がパイパニエンスとなった
彼らは毛のある旧人類を文字通り毛嫌いした
不潔、不快、ジョリジョリとあらゆる罵詈雑言を浴びせた
この感情が次第に大きな渦を巻き、民族対立を引き起こしたのだ

その後９００年経った今でも、争いは絶え間なく続いている

一体この争いに何の意味があるのだろうか？
なぜ人種や見た目だけで判断するのだろうか？

この不毛な争いを終わらせよう