渡り鳥への依頼

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庭に美しく咲いていた花も終わり、今は種をつけて来年に備えていた。
そんな折に庭の持ち主が、折角良い花壇になっているが家族も増えて部屋が手狭だから、残念だがこの花壇を潰して部屋を増設しようかと話しているのを聞いた。

花はこのままだと自分達の居場所も失くなってしまう、何とかしなければと考えた。
いつも来る渡り鳥達は秋には旅立つと言っていたのを思い出し、渡り鳥に相談し自分たちの種を他の国に運んでもらおうとお願いした。
快く引き受けてくれた渡り鳥はあちらこちらの国々に立ち寄りながら、羽をバタバタさせ花の種をばら撒きながら、移動して南へ飛び続けて行った。

暫くしてその国々では、我が国では初めての花が咲いたと大喜びになった。
やがて新種の綺麗な花として持て囃され、瞬く間に国中にも広がり皆の目を楽しませた。
渡り鳥に渡りをつけた花は、各国で実を結び花をさかせ、ずっと繁栄する事が出来ました。
ファンタジー
公開:21/06/12 11:26

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