持ち帰り専門店

0
3

今日の仕事を片付け、一足先に会社を出る。その際、会社に併設されている持ち帰り専門店で部下の仕事をいくつか買って出た。
俺が手伝うと言っても部下は「大丈夫です」と断るだろう。ここはさり気なく手伝うのが大人のスマートなやり方だ。
部下の仕事を手にファミレスに入る。
「いらっしゃいませ!って、父さん…今日も来たの…」
バイト中の娘の笑顔が苦笑いへと変わった。
「今日もドリンクバーだけ?もう少し何か頼んでよ」
そう言ってくるものだから娘にオススメを持ってきてくれと頼んだ。
来たのはアラフィフのオッサンが食うにはちと恥ずかしい苺パフェ。それを食べながらノートパソコンで仕事を行う。
娘のバイトが終わる頃、こちらの仕事も片付いた。
会計を済ませ、店の前で待っていると娘に溜息を吐かれる。
「一体いつまで続けるの?」
仕事の持ち帰りをしなくてすむまでだ。
あと娘のボディーガードを買って出るは父親の義務だ。
公開:21/06/08 20:42

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容