燃えるような赤

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私の認識している色は本当に皆の認識している色と同じなのだろうか。
ややこしいが色覚異常の話ではない。
例えば目の前に物体がある。
第三者がコレを『赤』と見る。
私も赤と認識するが『皆にとっての青』が私の世界では赤として認知されていたら。
第三者は「燃えるような赤ですね」と言い
私は「そうですね」答える。
私には炎すら『皆の青』で赤く見えているのだがら辻褄は合うだろう。
そんな事は起こり得るのだろうか。

目の前に倒れる男の首から流れる血は赤い。
人間には燃えるような赤い血が流れている。
しかし刺す際に怪我をしてしまった私の手から流れる血は…青い。
返り血を浴び私の血と混じり合い紫色に変化する所も見える。
極度の緊張で頭がおかしくなってしまったのか。
それとも私は人間ではないのだろうか…。
もう何もかもどうでもいいはずなのに
意外と冷静で目に映る色についての疑問を私は払拭できないでいる。
ホラー
公開:21/06/09 06:00
更新:21/06/08 12:02

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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