新故事・新慣用句(その7)

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泣いてオニオンを切る

【意味】
規律を保つ為、私的な思い入れは捨て、与えられた仕事を黙々と全うすることのたとえ。
親子丼店に勤め始めたAは、誰もやりたがらない玉葱切りを押し付けられた。その数1日100キロ。朝四時に起き、切り始めないと開店には到底間に合わない。母子家庭で育ったAは闘病中の母に仕送りをする為、そして何よりも職場の規律を守る為、泣きながらオニオンを切り続けた。
類義語に「泣いて馬謖(ばしょく)を斬る」があるが、その違いは、馬謖が違反者であり、その首をはねて規律を守ったのに対し、オニオンは玉葱であり、切ると涙溢れる嫌な仕事でも黙々とこなす事で、その場の規律を守るところにある。前者馬謖は過激受動的、後者オニオンは穏便能動的とも言えよう。何れにしても規律の乱れを防ぐ為の新旧故事である。

【例文】
馬謖は、泣いてオニオンを切る思いが強かった為、首を切られず社長にまで昇りつめた。
 
その他
公開:21/06/10 05:55

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