持ち帰り専門店

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タイムマシンを使い、白亜紀に旅行に出かけた。
息子がケガをしたティラノサウルスを見つけ、その傷を癒した。さらに空腹で弱っていたようなので餌を与えるとえらく懐かれてしまった。
尻尾をふりふりティラノサウルス。こうやって見ると恐竜も可愛いものだ。
そんなティラノサウルスを連れて帰りたいと言う息子。ダメもとで持ち帰り専門店に相談してみると「動物保護法に引っかかります」と言われた。
そこを何とかと頼み込み、こっそり金を握らせる。
「…必ずお届けします」
喜ぶ息子。ティラノサウルスとしばしの別れを告げ、現在に戻った。

数日後、巨大な荷物が届く。中を開けてみると恐竜の化石が入っていた。
息子はそれを見て大泣きした。私も激怒した。
だが妻は冷静だった。むしろ同封されていた巻物を読み感心している。
「これ見て。あのティラノサウルス。私のご先祖様だったみたい」
それは白亜紀から続く、妻の家の家系図だった。
SF
公開:21/06/09 20:26

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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