透明な青はもう見えない

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ふと空を見た。
雲一つないその青さは昔と変わらない。

なのにあの頃見た空と、大人になった今見る空とでは大きく違った。あの頃の空はどこまでも透明な青だった。

しばらく連絡していなかったあいつを見かけた。 良いスーツを身につけていたが、下を向いてタバコに火をつけていたその顔には、影が落ちていた。 少なくとも成功者の横顔ではなかった。

君と仲の良かった彼女を見た。 化粧もせず髪はボサボサで子供の手を乱暴に引いていた。目はつり上がり、何かに急き立てられている顔は疲れていた。

僕はどう見えるのだろう。ペコペコと卑屈に頭を下げる、うだつの上がらぬ、ただの中年男か。
 
夜の繁華街で君を見かけた。 真っ赤なドレスに真っ赤な口紅で微笑む君はとても綺麗だったけど、そこに弾けるような笑顔はない。

もう誰も空を見ない。 あの頃、太陽の下で笑いあった君も、僕も、仲間たちも、もうどこにもいなかった。
その他
公開:21/06/06 01:50

茎田きみゆ( 東京 )

書くのが好きなのでとりあえず思い付くまま書いてます。週に一、二本を目標に書いていきたいですが、休むときもあります。 得意ジャンルはありません。
アイコンを変えました。特に意味はありません(^_^ゞ
2021.4.5
ペンネームを『小山田みゆき』から変えました。

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