0
2

“亡くなった者を鳥に食わせる”
そんな風習が、私の身近に存在する。
人間は命を糧にしなければ生きることが出来ない。
だから、せめて死んだ後に自然へ感謝を伝えようと何千年も前に始まったらしい。
この事を教えてくれた祖父も、鳥に食われることとなった。
集落にほど近い禿げた小山……平原のど真ん中だから、頂上の様子はよく見えない。そこに遺体を安置する。
すると無数の鴉が群がってきた。
鴉は御先祖様たちの化身で、命を燃やし尽くした末裔のためにやって来るそうだ。
遺体が啄まれているであろう光景を、麓から眺めた。憤りを感じることはなく、ただ心の底から彼らに感謝している。
里では小さなお祭りが催されたような活気が生まれていた。祖父の“母なる大地への帰還”を祝ってくれているのだ。

鴉が一羽、何かを咥え此方へ飛んでくる。
それが私の目前に着地し、赤いモノを差し出してきた。
お裾分け……なのか?
ファンタジー
公開:21/06/07 21:43
更新:21/06/07 21:46

加賀守 崇緒( 猫屋敷 )

気まぐれなハチワレ猫です。
頭抱えながら文章を考えてます。
スイカと芋と肉と魚に、お米とお酒、ブドウが好き。
よろしくお願いします。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容