持ち帰り専門店

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店主に危険物取扱証明書を見せると大きめの箱を差し出された。
箱の中身を確認する。爆弾を始めとした爆発物がぎっしりと詰まっている。それを手に私は会社へと向かった。

「今日は無礼講だ!皆、遠慮なく飲め!カンパーイ!」
私の音頭に部下はジョッキの中身を飲み干していく。よしよし…皆しっかり飲んだな…
『俺はなぁ…お前に言いたい事があるんだ!』『僕も先輩に言いたい事があったんですよ!』
早速爆弾が作動したようだ。部下達の腹の中に抱えていた不満が爆発を起こしている。
火薬の量は少なめにしてあるから大丈夫。皆、酒の席での愚痴の応酬程度で終わるだろう。
女子社員達は料理に次々と手を伸ばす。腹の中のダイナマイトが作動し、いくら食べても太らないダイナマイトボディになった今夜だけは羽目を外していいだろう。

今日の飲み会も爆弾の持ち帰り専門店のおかげで大成功。
皆、口から小さな煙を吐いて満足げに家路についた。
公開:21/06/07 19:31

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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