シルクハットの男
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小川の岸にシルクハットをかぶった男がいた。
男は夜の闇に向かってタクトを振り出した。
そこにはオーケストラなんていない。
ただ小川のせせらぎが聞こえるだけだ。
私は興味をなくしてその場を立ち去ろうとした。
するとそんな私の目の前を光の粒がふわりと横切っていった。
蛍だ。
その蛍は男の方へと向かっていくようだ。
無数の蛍が集まってくる。
男のタクトの動きに合わせて大群が明滅を始めた。
まるで天の川が草むらの上に舞い降りてきたかのような、神秘的な光のシンフォニーである。
綾なす夢幻の光が私の魂を彼岸へ誘っているような気がした。
いつしか他の通行人も足を止めて、この不思議なショーに釘付けになっていた。
最後に蛍たちは大きな竜巻のように螺旋を描き夜空の彼方へと消えていった。
シルクハットの男は振り返って深々とお辞儀をした。
拍手が起きると黒いマントがひるがえって男の姿も闇の中へと消えてしまった。
男は夜の闇に向かってタクトを振り出した。
そこにはオーケストラなんていない。
ただ小川のせせらぎが聞こえるだけだ。
私は興味をなくしてその場を立ち去ろうとした。
するとそんな私の目の前を光の粒がふわりと横切っていった。
蛍だ。
その蛍は男の方へと向かっていくようだ。
無数の蛍が集まってくる。
男のタクトの動きに合わせて大群が明滅を始めた。
まるで天の川が草むらの上に舞い降りてきたかのような、神秘的な光のシンフォニーである。
綾なす夢幻の光が私の魂を彼岸へ誘っているような気がした。
いつしか他の通行人も足を止めて、この不思議なショーに釘付けになっていた。
最後に蛍たちは大きな竜巻のように螺旋を描き夜空の彼方へと消えていった。
シルクハットの男は振り返って深々とお辞儀をした。
拍手が起きると黒いマントがひるがえって男の姿も闇の中へと消えてしまった。
ファンタジー
公開:21/06/07 08:39
最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。
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