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占い好きの友人が最近、こっくりさんにハマっている。
「こっくりさんって凄いんだよ。何でも知っているし、何でも教えてくれるんだ」
友人は最近彼氏が出来た。テストでいい点を取るようになった。幸運の限りを尽くしていた。
そんな彼女が翌日から学校に来なくなった。
心配になり、お見舞いに行くと部屋に閉じ籠った友人はやつれた顔で言った。
「こっくりさんが…こっくりさんが何も教えてくれないの…」
友人は私に縋る。
「ねぇ何で!何で何も教えてくれなくなったの!何でよぅ…」
ちらりと机の上を見ると十円玉が勝手に動いていた。その動きはひたすら『あ き た』を巡っている。
「もうこっくりさんなんてやめな。ほら、君が好きそうな占いアプリいっぱい見つけて来たよ」
私のスマホを見せると友人の目に光が戻ってきた。
その瞬間、私のスマホにヒビが入る。
机の上を見ると『う わ き ゆ る さ な い』と十円玉が動いていた。
ホラー
公開:21/03/12 20:30

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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