渋滞の理由

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高速道路を野生の鹿の群れが横切っていた。
土木工事のトラックを運転していた男は急ブレーキを踏んだ。
横を見ると大風が吹いたのかフェンスが壊れている。
仕方がないので鹿の群れが通り過ぎるのを待っていると、今度はペンギンの群れが現れた。
ひょこひょこと列をなして彼らは鹿の後ろに続く。
これは一体…?
バックミラーを見ると男のトラックの後ろに車の渋滞が起きている。
男はイライラしてクラクションを鳴らした。
すると今度はナマケモノが現れた。
ひどくのろい足どりだ。
男はたまらず叫ぶ。
「早くしてくれ!」
するとナマケモノは不思議そうに運転席の男を見つめた。
そして道路の真ん中でゆっくりと語り出した。
「ああ、ああ、これはどうも…ご迷惑をお掛けして…すみません。どうも…私達の住んでいた場所が…どこかの誰かに壊されてしまいまして…」
ナマケモノの身の上話はとても長く、渋滞は深夜まで続いた。
その他
公開:21/03/13 18:40
更新:21/03/13 18:41

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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