全自動生活

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 朝、私は自動起床装置で目を覚まし、全自動万能生活補助機に朝食と歯磨きと着替えを済ませてもらうと、可動床に車庫まで誘導され、全自動車に乗り込んだ。
 十数分うとうとしていると、会社の駐車場に到着した。
 数分自走分離型AIカーシートのなすがままにすれば自分のデスクに到着だ。
 座席を見送り、課長が前日AI作文機に作らせた台本をボイスロイドが話し、朝礼が終わる。いよいよ一日の仕事が始まった。
 しかし仕事というものは実に面倒な作業だ。逐一作業内容ごとにAIに最善の策を求め、自分の手でそれを遂行するなんて。いつか仕事も全自動でこなす時代が来るといいのだが。

 18時、退勤時間になった。私は重たい腰を上げ、オフィスの入り口にある打刻機にタイムカードを突っ込んだ。今日はもう3時間ほど残業してから帰るとするか。仲間を差し置いて自分だけ帰るなんて、社会人いや人間としてあるまじき行為だからな。
 
 
SF
公開:21/03/12 18:56

赤井夏

アカイナツではなくアカイカです。
 

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