すごい本(流暢編)
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すごい本がある。何がすごいかと言われてみれば、その息つく暇もない軽妙洒脱な語り口。弁が立つとはまさにこのことで、口八丁手八丁、次から次へと淀みなく、エンドレスな言葉のオンパレードは、まさに圧巻と思いきや、大したことは何も言っていないのに、まことしやかに聞こえるは、文士の如き大言壮語の独演調によるものか、はたまた弁舌さわやかなる吟遊詩人の言辞流々たる美辞麗句の成せるわざか、とかくつまらぬ話をこねくり回して枝葉末節を飾ることに関しては、余人の追随を許さぬこの本の、兎にも角にも窒息するまで相手を説破せんとするその口舌に、読めば読むほどにつらつらと、脳内に言葉は溢れ出し、天衣無縫の語彙力は百花繚乱雨あられ、ついには大衆の精神を発揚せんと自らも音吐朗々に声高く物申し、世を煽動したくなるほどの雄弁さ。さあ皆の者いざ世界へ森羅万象を謳い上げん!心ある人々よ、この本を買わざるは人にあらざるなりいいいいい!
その他
公開:21/03/10 12:26
すごい本シリーズ
最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。
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