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ミクは図書館で母親を待っていた。
窓際の椅子に座り、暇潰しに『人類進化辞典』のページを捲る。
猿人から原人を経て現代人へと進化するお馴染みのイラストがあった。
猫背から右肩上がりに背筋が伸び、前生人を境に現代人は2手に分かれる。
1つは前生人とほぼ変わらない現代人。
もう1つは少し猫背に逆戻りしたハイブリッドと呼ばれる複合人。
人口的にバッテリーを内蔵し、食事による摂取カロリーの削減に成功した。
またベッドや椅子等に非接触充電を装備すれば、普段の生活の中で意識すること無く充電が可能となった。
前世紀の車や携帯電話の開発で培われた技術が生かされたと書いてあった。
背中が少し熱くなってきたのでミクは座り直した。
「未来。お待たせ!」
声の先に少し猫背の母親の姿があった。
その時、頭の中の赤いイメージが青く変わったのを感じた。
「私もちょうどいっぱいになったよ」
ミクは母親に駆け寄っていった。
SF
公開:21/03/10 10:57

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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