ユキばぁのカカシ　その後

母が寄り合いで聞いてきた話によると、総代さんと婦人部の南さんが、ユキばぁにお願いしたらしい。
さすがに人死にが出ているとは言えず、もう人は十分だから他の物を作ったらと誘導したそうだ。
「総代さんが熊推しだったらしいんだけどさ、熊なんて作って間違って猟友会の人がぶっ放したら、それこそ人死に出そうじゃない。南さんが、動物なら犬とか猫とかって言ってなんとか収めたみたいよ」
ユキばぁはモデルがない物は作りにくいと渋っていたが、結局「夏に来た孫が残した雑誌があるからそれにする」と言ったそうだ。

数日後、弟と二人街に行こうとバス停で座っていると、麦わら帽子をかぶったカカシを抱えたユキばぁに出会った。
あれ？人やめたんだよね、と一瞬思いよくよくカカシを見るとその顔は！
弟が慌ててスマホで検索し、ネタバレサイトを見つけた。悲鳴を上げた。
画面を覗きこむと、あの麦わらのキャラが突然死んでしまっていた。