健康診断

「それじゃあ、これで右目を隠してください」
「右から何番目ですの？」
「ああ…じゃあ右から21番目を隠して」

「はい、レントゲンを撮るからここに身体を当てて」
「すみません、どの身体ですか？」
「ああ…では真ん中の身体を…」

「血圧測るから、腕を出してね」
「おい、どの腕だよ」
「ああ…じゃあ左から…」

「ふう…」
「先生、大丈夫ですか」
「やあ、君か。宇宙人の身体検査はどうにも疲れるな…自分とは全く身体のつくりが違う」
「仕方がないですよ…色んな星の人たちが、共同でこの星に暮らすことになりましたからね。皆さんの健康データを調査し、管理する必要があるんです」
「そんな大事な検査にしては、人手が足りなすぎる。いやあ、疲れた…なあ、肩を揉んでくれないか」
「良いですよ。どの色の肩ですか」
「ああ…」