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もう随分前、僕がまだそんなに台湾に慣れていなかった頃のこと。仕事で台湾の高雄に滞在中、ひどい肩こりに悩まされて、住宅街に看板だけ出している超ローカルな功夫整体師に診てもらった事がある。
今もそうだが、僕は中国語が分からず、その時診ていただいたお年を召された師にも英語が通じなかった。
しかしこのままでは週明けの仕事に差し支えると思い、気迫で説得して何とか診てもらう事になった。
施術の間、全く言葉を交わすことなく、師は手で僕の身体を一ヵ所ずつ、まるで鍋に入れるには長すぎる乾麺を手でおるかのように僕の関節を曲げていた。その動作は言葉で指示できない事によるイライラした感じが僕にも伝わっていた。
施術が終わり、僕もホッと一息つき、自然と「ありがとうございます」と日本語が出てしまった。すると師は目を大きく見開き、「なんだ日本人か」と呟いた。
そこから流暢な日本語を話す師との会話が始まった。
今もそうだが、僕は中国語が分からず、その時診ていただいたお年を召された師にも英語が通じなかった。
しかしこのままでは週明けの仕事に差し支えると思い、気迫で説得して何とか診てもらう事になった。
施術の間、全く言葉を交わすことなく、師は手で僕の身体を一ヵ所ずつ、まるで鍋に入れるには長すぎる乾麺を手でおるかのように僕の関節を曲げていた。その動作は言葉で指示できない事によるイライラした感じが僕にも伝わっていた。
施術が終わり、僕もホッと一息つき、自然と「ありがとうございます」と日本語が出てしまった。すると師は目を大きく見開き、「なんだ日本人か」と呟いた。
そこから流暢な日本語を話す師との会話が始まった。
その他
公開:21/03/08 15:22
台湾
高雄
功夫
整体
日本語が流暢
旅の失敗
写真撮影が趣味で、英国文学をはじめとした外国文学が好きな会社員
旅が好きでヨーロッパとアジアを中心に多く国を旅している
また、イギリスに住んでいたこともあり、英国文学に多くの影響を受けている
喋れる言語は日本語 (ネイティブ) > 英語 (アカデミック) >>...>> ドイツ語 (何とか旅が出来るレベル)
投稿内容はその他(主に紀行文)、青春、ホラー、ごく稀に恋愛(でも悲しい物語)
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