しびれ

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「行くなよ」

「いつも一緒にいるわ」

「いいや、僕が知っているのは君のたった一面だよ。いつもそうだ」

「はやく行かなきゃ。上がうるさいの、……分かるでしょ…?」

「大丈夫だよ、何も君に、触れられやしないさ。
それに……動けなくなったのは君の方だ。気づいてるよ、君が震えてるの」

「……もう、チャイムの音も止んでしまうわ」




ピーンポーン
それが最後だった。
…………

宅配が……


倒れ込み、寄り添う恰好になった足と床に、目を落とす私だった。
その他
公開:21/03/08 22:45
更新:21/03/08 22:59

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