用心棒

　WとEは昔から喧嘩ばかりしていたが、時が経つにつれ喧嘩することさえ億劫になった。
　そこでWは考えた。
「俺よか強い奴を味方につければあいつも手出しできないだろう」と。
　そんなWの様子を見てEも同じく強い用心棒を雇った。
　結果として喧嘩は無くなったが、互いに憎み合っていることには変わりなかった。
　そんな中、Wの兄が大金をちらつかせて弟の用心棒を誘惑した。兄も同じようにEを嫌っていた。
　Wの用心棒はその日のうちにEを痛い目に合わせた。
　怒ったEの弟は仕返しに兄の用心棒に大金をはたいてW兄弟を襲うように命じた。
　こうしてWとEの対立は一層激しさを増し、今度は用心棒を交えて今までにないくらいの大喧嘩を始めたどころか、いよいよ両親族を巻き込んでの全面対決を始めてしまった。結果は言わずもがな。
　そうそう、奇遇にもWとEの用心棒の名前は両者ともに「核弾頭」だったそうな。