硝子の向こう

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生まれた時から、僕の世界と外の世界は何か出遮られている。

初めは、分厚い布のようなものだった。

次に、透明な袋。その時僕は、初めて外の世界を知った。

赤い光がほわほわ浮かんでいる。

賑やかな声が響いてる。

道行く人は、みんな楽しそうだ。

(僕も、外に出たいな)

でも、僕の願いは叶うこと無く、今度は透明な硝子で僕の世界と外の世界は遮られた。

(でも、まだチャンスはある)

ふと見上げると、大きく開けた場所が見えた。
あそこからなら、出られるはず!

大きく、大きく、勢いを着けて、大ジャンプ。
ばしゃり、と音がして、僕は外の世界に出られた。

(すごい、夢にまで見た外だ!…でも、あれ、なんだか、苦しいぞ)

夢にまで見た外の世界。なのに、僕の身体は動かなくなって、呼吸も出来なくなって





「あー!お母さん金魚死んでる!!」
「あら、金魚鉢から飛び出しちゃったのね…」
その他
公開:21/03/07 12:13

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