濃縮顆粒カプセル

重要なタスクだ。明朝、有人宇宙線が着くまでに完了させよう。オカイとミナと俺はまず馬を造る。コンパクトに精密に。手のひらに乗る馬が六十頭できた。次に州都の中心街を作る。作業テーブルに街の区画を描く。ビル、店舗、家、街灯、並木、公園のベンチを丁寧に作って配置する。だいたいの街ができた。休憩だ。オカイが作ったマティーニを啜りながら俺とミナは夜明け間近の星屑に談笑する。
さてもう少し。造った馬を街路に配置する。馬はゆっくりと歩きはじめる。巨大ジオラマの完成だ。時間が迫る。三人で高電圧レーザースキャナを備える。レーザーがジオラマを端からスキャンして焼いてゆく。焼き尽くすとテーブルに濃縮顆粒カプセルが三つ載っている。俺がカプセルをぐっと嚥み下す。オカイが口に入れる。ミナが眉をひそめて飲み込む。
タスク完了。濃縮カプセルを飲んだ俺たちは州都ですぐに活動できる。やがて着陸だ。三頭の馬になって馬の惑星に。