視力

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Tという男は願った。
ずば抜けた視力を手に入れたいと。1キロ先の獲物を捉える鷲の如く。
幼い頃から目が悪いのが、Tにとってはコンプレックスだった。歳を重ねていく毎に、肉体と共に視力は衰えていくばかり。
眼鏡をかければ済む話でもない。Tにとって、そんなものでは事足りないほどに叶えたいことが、この目で見たいものがあるというのだ。
他には何もいらない。ただこの目に力を、彼方を見透かす千里眼を与えてくれ。
そんな彼の願いを、神は受け入れることにした。
そして、神の力により、Tは驚異的な視力を手に入れた。歓喜したTは、早朝の駅へすぐさま向かった。
駅より1キロほど離れた場所で立ち止まる。目線の先に、改札口へ歩いていく女子高生の姿。
"これだけ離れていれば怪しまれまい"。
Tは腰を低く屈め、1キロ先の女子高生のスカートの中へ目を凝らした。

神は鉄槌を下した。
Tの視界は、突如大量の牛の糞で覆われた。
ファンタジー
公開:21/03/08 09:51
日常 ファンタジー 神様

つち

こんにちはwただいま趣味を迷走中  三(´Д`)の30代男です。
小説が書けるようになりたいです。思いつけばちょこちょこと投稿していくことを、今の目標にします。
何卒よろしくお願いいたします( ´∀`)
 

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