警備する企画書

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俺は札付きの男だ。ただし、付いているのは心配性の彼女に付けられた厄払いの御札だ。彼女はいつもお札やお守りを持ち歩き、メモ用紙には御札の裏紙を使ったりする。とうとう、厄払いの研究を初め、先日世紀の大発明をした。「防犯紙」だ。

 防犯紙には三つの機能がある。一つ目、名前の書かれた人に危険が迫ると紙が赤く染まり教えてくれる。二つ目、防犯紙の枚数が多ければ多いほど危険から守る効果が高まる。三つ目、命に関わる危険の場合、燃えて教えてくれる。

 ある日、俺の防犯紙が赤く染まった。大事なプレゼンがあるはずの彼女が大急ぎで駆けつけて、大量の企画書を渡してきた。どうやら、防犯紙に企画書を印刷していたそうだ。

「プレゼンよりも彼氏の方が大事だから置いていくね。」

彼女がプレゼンに出かけた後、部屋に煙が立ち込めてきた。
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公開:21/03/08 00:28

Deco

超ショートショートを作るクリエイティブディレクター

作:Deco

作家という肩書きに資格は要らないだろう。
最近、小さな超ショートショートのコンテストで最優秀賞に選ばれたことで自分の作品を好きだと言ってくれる人がいる喜びを知った。才能も努力も欠けている僕は肩書きを楽しんでいる。クリエイティブディレクターという肩書きも自分で名乗っているだけだ。
ある日、合コンで自己紹介をした。
「普段はクリエイティブディレクターをしてますが、超ショートショートの作家活動もやってます。」
女の子がツッコんできた。
「肩書きがが全然ショートじゃないですね。」
僕は反論した。
「短いのは肩書きじゃなくて期間です。」

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