友達の結婚
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「砂田が結婚したよ」
居酒屋でだし巻きをつつきながら川辺が言った。
「マジかよ」
口ではそう言ったけど、予感はあった。
いつも半年くらいのサイクルでフラれていた砂田が、今の彼女とは二年も続いていたのだ。結婚話も何度か出ていた。やっぱりな、という思いだ。まぁこれ以上は引っ張れないよな。
「あいつが結婚ねぇ」
「まさか俺たちより先にしちゃうなんてな」
進学、就職と同じ時代を過ごしてきたのに。急に取り残されたようだ。
「おれたちも砂田みたいにうまくいけばいいんだけど。現実は厳しいよな」
「あいつはあれだよ、ファンタジーの世界の住人だから」
「言えてる」
珍しく飲み過ぎた。ふらつきながら明かりをつけた。学生時代と代わり映えのない独りの部屋。
俺は鞄から買ったばかりのコミックスを取り出した。
表紙は幸せそうな砂田と彼女のツーショット。
「お前は進んでいけるんだなぁ」
ページをめくりひとりごちた。
居酒屋でだし巻きをつつきながら川辺が言った。
「マジかよ」
口ではそう言ったけど、予感はあった。
いつも半年くらいのサイクルでフラれていた砂田が、今の彼女とは二年も続いていたのだ。結婚話も何度か出ていた。やっぱりな、という思いだ。まぁこれ以上は引っ張れないよな。
「あいつが結婚ねぇ」
「まさか俺たちより先にしちゃうなんてな」
進学、就職と同じ時代を過ごしてきたのに。急に取り残されたようだ。
「おれたちも砂田みたいにうまくいけばいいんだけど。現実は厳しいよな」
「あいつはあれだよ、ファンタジーの世界の住人だから」
「言えてる」
珍しく飲み過ぎた。ふらつきながら明かりをつけた。学生時代と代わり映えのない独りの部屋。
俺は鞄から買ったばかりのコミックスを取り出した。
表紙は幸せそうな砂田と彼女のツーショット。
「お前は進んでいけるんだなぁ」
ページをめくりひとりごちた。
青春
公開:21/03/07 22:13
ボケ防止にショートショートを作ります
第二回 「尾道てのひら怪談」で大賞と佳作いただきました。嬉!驚!という感じです。
よければサイトに公開されたので読んでやってください。
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