予約のソースコード

「予約したいのですが」女性の声。
俺は駄菓子屋で電話は滅多にない。
「テレビ取材？」
「いいえ、商品予約です。予約しないと買えない商品があるって聞きました」
「いや、全部買えますよ」
「そんな、予約を断ろうとしているんでしょ」
「ではソースコードを言ってください」
「ソースコード？わかりません」
「なら予約できません」
「何とか予約させてください」
「じゃ名前と年は？」
「咲坂千香、27」
「付き合っている人は？」
「その情報、必要ですか？」
「ソースコードがない場合」
「います。相手は会社の派遣社員で妻子ありです」
「彼の奥さんは何を？」
「会社の社長です」
「ばれたらクビですね。いつから不倫を？」
「あの、ソースコード思い出しました」
「本当？では言ってください」
「お店で言います」
「了解です」
「お店はいつ開いています？」
「気が向いたら開けます。来店予約の電話を入れてください」