第二宇宙語

「みんなは必修の第二宇宙語、何にするの？」

「やっぱ、月語でしょ。単位取りやすそうだし」
確かに、月語は地球語と文法が似ててわかりやすい。テスト前に苦しまずに済みそうだ。

「私は二年生になったら火星に留学に行きたいから火星語にしようかなあ。」
なるほど、留学か。火星は治安がちょっと悪いけど楽しそうだ。

「俺は金星語にする。親が金星人だから普通に喋れるし。」
バイリンガルはいいね。俺も親が宇宙人だったら苦労せずに済んだのに。それか、小さい頃に地球外に住んでさえいればな。

「僕は太陽語にしますよ。全宇宙で一番話してる人が多いですからね。将来、外交官の仕事で役立てるんです。」
素晴らしい志だが、太陽語は地球人には発音すら難しいぞ。大丈夫？

おっと、爺ちゃんからメールだ。
『Hi, how are you doing?』
いや、爺ちゃん、地球語じゃないと何が書いてあるのかわかんないよ。