皆が急いで何処かへ

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皆が急ぎ足で山の方へ行く、何だろうかと気になり私もついて行く。
途中で散歩中の人も、買い物途中の主婦も、小ちゃな子供も、学校帰りの生徒も、営業中のビジネスマンも加わり人数は増えるばかりだ。

何処まで行っても目的地に着かづ、どんどんと歩き続けその距離は増えていくばかり。途中で引き返そうかとも思ったが、
誰も止めないしここまで来て諦めるのも、もったいない。先に余程良いものがあるのだろうと、自分に言い聞かせながら一生懸命に進む。
最初は何処に着くだろうかと、知らない者同士も喋り合っていたが誰も分からず、いつの間にか皆無口になっている。
その時突然、上空にドローンが現れ「皆さん頑張りましょう、あの山を越えれば素晴らしい人生が待ってますよ」と激励していなくなった。
結局この行進は人生の先にはきっと良い事があるだろうと、期待して皆が頑張るのを象徴した様な出来事だと納得して解散となった。
SF
公開:21/03/06 06:04

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