あくび

５時間目の授業、昼食後の満腹もあってかついあくびが出てしまう。
「ねむ…」
ウトウトしていると隣の席の友人が「だから腹８分目にした方がいいって言ったのに…」と呟いた。
友人は「仕方がない…」と言うと私のあくびをする為に大きく開けた口から何かを掴み取った。
ビックリして目が覚めた。
目には見えないが友人は確かに何かを掴んでいる。
それに友人は躊躇なく噛り付いた。
「これでもう大丈夫」
ゴリゴリと噛み砕きながら言ってくる。
何が大丈夫なのだ？
「今、君の口から出てきたあくびを私が噛み殺してあげたから」
えっ！？あくびを噛み殺すってそういう意味だったの？
「知らなかった？皆出てきたあくびを噛み殺す為に腹八分目にしているんだよ。あくびって食べたら一応お腹膨れるからね」
そうだったんだ…
眠気も覚めたことで黒板へと目を向けると、教師が両手で大きな何かを掴み、それを噛み殺さんとしている瞬間だった。